「交通安全施設」の技術と設備の用語集

 高速道路の利用者の視認性・走行性・安全性を高めるために設置している施設のことです。

防護柵ぼうごさく

 主として、走行中に進行方向を誤った車両が路外、対向車線または歩道などに逸脱するのを防ぐために、車道に沿って設置する柵状の施設のことです。
 また、運転者の視線の誘導や歩行者のみだりな横断を抑制するなどの目的も兼ね備えています。
 防護柵の形式には、ガードレール・ガードケーブル・ボックスビームなどがあります。このほか、車両の路外逸脱防止に目的を絞った変形しない剛性防護柵があります。

ガードレール

 主連結された波型断面のビームを支柱で支えた構造物の防護柵のことです。防護柵として最も一般的なものです。

ガードケーブル

 張力を与えたロープ(ワイヤーケーブル)を支柱で支えた構造の防護柵のことです。
 曲線半径の小さな曲線部では張力によって支柱が傾くため使用が出来ません。

ボックスビーム

 1本の大きな箱型の形鋼をビームとして使用した防護柵の一種をいい、狭い分離帯での使用に適しています。

壁高欄かべこうらん

 自動車が道路から飛び出すのを防止するための橋梁用防護柵です。当初、鋼製のガードレールが用いられていましたが、自動車が衝突しても容易に破損しない事、管理が容易であるといった事から、コンクリートの壁状構造にかわったのでこの呼び名になったようです。プレキャスト製品が使用される場合もありますが、正式名称は鉄筋コンクリート壁式防護柵。また最近では、車両衝突時の誘導効果等より前面に勾配のあるフロリダ型のものも用いられています。

げん光防止施設こうぼうししせつ

 中央分離帯のガードレール等の上に設置しています。対向車両の前照灯から受けるげん光を防止し、夜間における交通の安全と円滑をはかる施設です。
 種類としては、しゃ光ネット・しゃ光板・エキスパンドメタル・中分植栽などがあります。

しゃ光板こうばん

 中央分離帯のガードレール等の上に設置しています。対向車によるげん光を遮断することを目的に設置している板で、長方形や軍配形のものなどがあります。

しゃこうネット

 中央分離帯のガードレール等の上に設置しています。対向車によるげん光を遮断することを目的に設置しているネットです。

中分植栽ちゅうぶんしょくさい

 中央分離帯(中分)のガードレールの間に植栽(トウネズミモチ・ツツジなど)を植え、対向車によるげん光を遮断することを目的に設置しています。

ブリンカーライト

 道路の分流端に設置した交通安全施設で、分岐部分を運転手に注意喚起するために設置されています。

クッションドラム

 道路の分流端や路側の橋脚、標識柱などのように、路外に逸脱した車両が衝突する恐れのある固定構造物等の前に、車両衝突時の衝撃を緩和し、車両乗員の被害を低減するために設置される施設です。通 常黄色のプラスチック容器の中に水の入った袋がつまっています。

アイランド

 交差点内や休憩施設の駐車場内の交通流を安全かつ正確に導けるように導流路のデッドスペースを縁石等で囲み路面 から盛り上げた島のことをいいますが、他にも違う用途・目的で使われています。
 車両の立入を制限し、歩行者の安全を守ることを主として車線の間に設けられるものです。
 インターチェンジ料金所にある、料金所設備が置かれている箇所もアイランドと呼んでおります。

吹流ふきなが

 風が強く、横風等の影響を受けやすい地点に設置しており、風の強さおよび方向を走行中のドライバーにわかるよう設置しています。

スノーポール

 吹雪などにより視界が悪いときの視線誘導および除雪作業の目標として、道路の左側路肩や中央分離帯にポールを設置しています。
 設置間隔は道路の線形に応じて概ね50~100m程度、高さは2.0~3.0m程度であり、キロポスト標等と兼ねた伸縮構造のものもあります。

分離帯ぶんりたい

 車線を往復(上下線)の方向に分離することを目的としており、側帯・中央帯・中央分離帯・防護柵(ガードレール・コンクリート壁)・樹木・園地などが設置されています。