CSRレポートへの第三者意見

本レポートに対するご意見をいただきました。

地域社会との共生を重視した経営と従業員を「人財」として育成する経営姿勢が読み取れます
一般社団法人経営倫理実践研究センター首席研究員・日本経営倫理学会副会長駿河台大学名誉教授・博士(経営学)水尾 順一 様の写真
一般社団法人経営倫理実践研究センター
首席研究員・日本経営倫理学会常任理事
駿河台大学名誉教授・博士(経営学)
水尾 順一 様

高く評価できる点

全体をとおして、ステークホルダー資本主義の経営姿勢が貫かれています。

 米国の経営者団体であるビジネス・ラウンドテーブルが、2019年8月、企業の価値基準を見直し、企業を取り巻く利害関係者を重視したステークホルダー資本主義へと大きく舵を切りました。また、2020年1月、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でも、「ステークホルダーがつくる、持続可能で結束した世界」が掲げられ、「気候変動への警鐘」と、「ステークホルダー資本主義への転換」の2つが主要なテーマとして議論されました。

 両者に共通していえることは、さまざまなステークホルダーを重視した経営姿勢です。NEXCO東日本レポート2020からも、次の2点を中心にステークホルダー資本主義の精神を読み取ることができます(誌面の都合で、地域社会と従業員に絞り記述します)。

①第一は、地域社会と共生する経営の重視です。地域住民や同社のサービスを利用する人たちの快適生活への貢献とそのメリットを享受いただくことを大切にする姿勢を感じます。たとえば、巻頭の特集1から被災地域の防災・復旧両面で安全・安心を提供する支援活動、特集2から「Pasar蓮田」サービスエリアの利用に関して高速道路利用者だけでなく地域社会の人たちへの便利性や快適性を提供する活動から知ることができます。

②第二は、従業員を「人財」として、育成する経営姿勢です。持続可能な発展を支援する従業員に対する教育・研修は、「Educatoin for Sustainable Development (ESD)」と呼ばれます。特集3「NEXCO東日本 総合技術センターの整備・運用開始」から、技術者育成、研究・技術開発、エキスパート支援、安全教育・啓発の4つの取組みをとおして、同社のESDとして従業員の育成支援を重視する姿勢を知ることができます。

今後の発展に期待すること

新たな働き方「フレックス・ワーク」への取組みを期待します。

 2020年の新型コロナウイルスからの感染リスクを防止するという背景もあり、在宅勤務などのテレワーク、残業削減、短時間勤務などの働き方改革が進みました。ZoomやTeamsなどの利用でコロナ禍が収束した後もテレワークやリモート会議などは更なる進化が予想され、当方が推奨している新たな働き方「フレックス・ワーク(FW)」の取組みも期待されます。

 フレックス・ワークとは、フレックス・タイム(時差通勤、変形労働時間など勤務時間のFW)、フレックス・デイ(週休3日社員、在宅勤務で週4日出社など、勤務と休日のFW)、フレックス・オフィス(テレワーク、在宅勤務など働く場所のFW)など、柔軟な働き方です。

 フレックス・ワークについては、同社でも一部導入が進んでいることから、まずは全体の方向性を明示して、現場の従業員の声に耳を傾けながら始めるのも一つの選択肢です。

 アフター・コロナで企業活動が変化ししつつある今、フレックス・ワークは組織の新しい形を見据えたイノベーションに効果的です。同社の持続可能な発展に結びつくことを心から祈念申し上げます。

NEXCO東日本広報・CSR部長小池 敏樹の写真
NEXCO東日本
広報・CSR部長
小池 敏樹

 NEXCO東日本グループは「地域・国・世代を超えた豊かな社会の実現に向けて、『つなぐ』価値を創造し、あらゆるステークホルダーに貢献する企業として成長します」とグループ経営ビジョンに掲げております。ステークホルダーを重視する世界的な流れの中で弊社の取組みを評価いただきましたこと、大変光栄に存じます。

 新型コロナウィルス対策といたしましては、本レポートにもありますように、高速道路ネットワークの機能確保に努めつつ、グループの全社員の感染予防対策のため、テレワークや時差出勤を推進しています。お示しいただいた新たな働き方として、テレワークの定着などを進めながら、引き続き、高速道路事業を通じて地域社会の発展に貢献する企業を目指してまいります。