持続可能な社会づくりのためにさらなる連携を

福島県いわき市

〈新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて直接お話をお聞きすることができなかったため、「NEXCO東日本レポート2020・ステークホルダーメッセージ」の福島工業高等専門学校様の活動については、芥川副校長からお寄せいただいた原稿を元に作成しています。WEB版では、その内容をご紹介します〉

持続可能な社会の発展に向けた取組み

福島工業高等専門学校 副校長 芥川 一則 様の写真1
福島工業高等専門学校 副校長
芥川 一則 様

 福島県いわき市に位置する福島工業高等専門学校は、地元の皆さんから「福島高専」として親しまれています。新元号を迎え、「持続可能な社会発展を目指し、グローバルに活躍する次世代技術者を育成する」を新しいスローガンに、教育、研究に取組んでいます。
 2011年に発生した東日本大震災とその後の福島第一原子力発電所の事故を契機として、全国でも珍しい文系の高専学科である「コミュニケーション情報学科」を2015年に「ビジネスコミュケーション学科」に改組しました。この学科の改組に合わせて学校全体として持続可能な社会の発展に取組んでいます。
 本校は教育を通じて持続可能な社会を構築するための実践的な取組みを行う学校である「サステナブルスクール」に選定されています。その成果を地域へ還元するため「地域ESD(注1)活動推進拠点」として登録しています。ESDの普及に向け、自治体と連携しながらSDGs教材を使用した出前授業などに取組んでいます。
(注1)ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。

福島工業高等専門学校 副校長 芥川 一則 様の写真2

いわき地区交通インフラを整備

 私は「福島イノベーション・コースト構想公共交通分科会」の委員として、福島県浜通り地域の「周辺環境整備交通ネットワーク形成事業」についてお手伝いしています。分科会では平成30年度から実施しているバス及びカーシェアリングの実証事業を整理・分析し、将来にわたって必要となる交通ネットワークや新しい交通システムのモデルの具現化に向けた案の検討を行っています。
 ここでは、都市間交通とラスト1マイルの統合も課題の一つです。高速バスで首都圏から移動して来られた方々にカーシェアリングを提供することで、ラスト1マイルに利用していただくことを検討しています。その拠点の候補地としてIC周辺やSAがあげられます。その実現には自治体、バス事業者そしてNEXCO東日本様のご協力がぜひとも必要となります。

NEXCO東日本の道路パトロールに感謝

 現在、電気自動車EVを利用しています。乗始めの頃は走行距離の算定に慣れていませんでした。仙台市へ移動する途中、磐梯山SAの充電施設で充電する予定で、計算ではバッテリーは持つはずでしたが、SA手前800mで止まってしまいました。初めての経験で多少パニックになり道路脇に停車して救助を待っておりました。そこへ道路パトロールの車が停車しました。その際にとても親切な対応をしていただいたことが忘れられません。ネームプレートに「佐藤」という名前があったと記憶しています。手際よく発煙筒を焚き、路側帯に車を移動する指示をいただきました。そのため安心して救助を待つことができました。
 高速道路は、設備のみならず、管理業務の皆様との協働作業でスムーズに運営されていることを実感しました。高速道路は、施設である道路とパトロールはじめとする管理業務が車の両輪となって機能していることを実感した1日でした。予定よりは遅れましが無事仙台市に到着できました。この場をお借りして「佐藤さんありがとうございました」とお礼を申し上げます。

NEXCO東日本とのさらなる連携を期待

 最後に私の研究テーマについてお話させていただきます。「人口減少局面における課題」について取組んでいます。人口減少が急速に進むのが地方の町村地域になります。それらの地域では、都市部からの交流人口や関係人口をいかに確保するかが課題になると考えています。その際の移動の媒体として高速道路を外すことできません。道路は人間の身体の血管に例えられます。しかし、人間社会では目的がなければ移動は起こりません。
 常磐道が開通したことで、いわき市から東京への高速バスが運行するようになりました。これによりいわき市に住む方々は気軽に東京へ行けるようになりました。東京通勤さえ可能となっています。しかし、これは地方のお金を東京で使うために利用されています。以前から指摘されていることですが、東京のような都市圏の皆さんに地方へ来ていただく高速バスが求められます。そこで「町おこし」を移動も含めて計画することを検討しています。例えばインターから直接アクセスできるコンサート会場を地方都市に建設します。出発地からコンサートが始まるような仕組み作りが可能であるか、自治体も巻き込んで検討しています。今後はNEXCO東日本様のご支援も期待しております。

持続可能な社会づくりのためにさらなる連携をの写真1
持続可能な社会づくりのためにさらなる連携をの写真2