CSRレポートへの第三者意見

本レポートに対するご意見をいただきました。

新中期経営計画とSDGsの連携は、組織活力の向上に結び付くものとして大いに期待されます

一般社団法人日本コンプライアンス&ガバナンス研究所 代表理事/会長 日本経営倫理学会 常任理事 駿河台大学名誉教授・博士(経営学) 水尾 順一 様の写真
一般社団法人日本コンプライアンス&ガバナンス研究所 代表理事/会長
日本経営倫理学会 常任理事
駿河台大学名誉教授・博士(経営学)
水尾 順一 様

高く評価できる点

「つなぐ」価値の創造をもとに、新中期経営計画とSDGsの連携について取り組んでいく姿勢がよく開示されています。

 2021年、新たに策定された中期経営計画が、6つの基本方針と重点課題によって明示されるとともに、SDGsの17の目標と169のターゲットと連携しながら中期経営計画の実現に向けて取り組まれていく様子を十分に知ることができます。
 しかも、重要業績評価指標としてKPIを設定するだけでなく、経営計画のベースとなる損益・投資計画を中心とした財務計画を、各事業体にあわせて具体的に見える化させることで、目標実現に向けたロードマップを明確にしています。
 その結果、極めて秀逸な計画に基づいた新中期経営計画とSDGsの連携は、全社一体となった共通目標の羅針盤となることで、組織活力の向上に結び付くものとして大いに期待されます。

東日本大震災発生後の復興支援の取組みについて、特集記事を通じて知ることができます。

 NEXCO東日本の事業基盤ともいうべき東日本地域の道路網は、東日本大震災により甚大な被害を受けました。同社の経営環境に与える影響はもとより、地域住民、取引先、さらには従業員も含めたあらゆるステークホルダーがこの10年間、復興に向けた活動に取り組んできましたが、道路の復旧・整備事業は、その根幹として多大な貢献を果たしてきたといえます。常磐道の全線開通や新たなIC・スマートIC設置など高速道路網の整備・拡充、休憩施設の防災拠点化などの災害対応力の強化、様々な復興に関する地域貢献活動など、地域の課題解決と同社の事業活動が一体になった戦略的CSR活動として、他企業の範たるものとみることができます。

今後の発展に期待すること

経営層と現場の一体感を醸成し、「仲間たちと取り組むSDGs」を期待します。

 新中期経営計画の発表で、貴社として向かうべきSDGsの方向性が見えてきました。経営者のコミットメントが発信されたことから、今後は経営層と現場の活動が一体になったボトムアップの取組みが期待されます。たとえば自らが手を挙げて参加を表明し、自発的に形成された組織(以下「SDGsサポーター」と呼ぶ。)の設置を通じて、"従業員の視点"で考えながら、自ら考え動く力(以下「考動力」と呼ぶ。)を発揮させることで、現場が生き生きとしてきます。
 なぜなら、SDGsのような戦略的CSR活動は、個人の倫理観や心情というようなメンタルな要素を内包していることから、仲間たちの理解と納得による「共感」を得ることで活動にドライブがかかるからです。
 SDGsサポーターは、年代や性別、職場、職種、役職などにかかわらず自発的な意思で集まった組織であればあるほど、自由度(Free)、柔軟性(Flexible)が発揮された階層にこだわらない(Flat)3Fの組織となり、彼らのモチベーションは高くなります。結果として、彼ら・彼女たちは職場の責任者、管理職とは少し離れたところに立ち、組織の縦・横・斜めから、いわば企業市民の感覚をもってみつめることが可能となり、SDGsへの新たな視点を生み出すことにもつながります。
 SDGsサポーターの「考動力」が発揮されることで、貴社の持続可能な発展に結びつくことを心から祈念申し上げます。

NEXCO東日本 広報・CSR部長 小池 敏樹の写真
NEXCO東日本
広報・CSR部長
小池 敏樹

 「NEXCO東日本レポート2021」における弊社の取組みに対しまして、高い評価をいただきありがとうございます。また、SDGsの内部浸透に向け、現場の意識レベルの向上が今後の大きな課題であると認識しておりますが、この課題に対しまして、たいへん参考になるご提案を頂戴し、重ねて御礼申し上げます。
 本レポート中にもありますとおり、今年度から新たな中期経営計画がスタートいたしましたが、これに先立ち、「NEXCO東日本グループが目指すCSRの姿」の見直しを行いました。NEXCO東日本グループの事業活動そのものを基軸とし、「ステークホルダーにとどける価値」と「グループ全体の企業価値」が相乗的に創出されるという考え方を表現しています。今後とも「地域をつなぎ、地域とつながる」をCSRキーワードとして、あらゆるステークホルダーの皆さまに貢献する企業を目指してまいります。