国営ひたち海浜公園とNEXCO東日本の連携
地域経済のために高速道路ができること
毎年4月中旬からゴールデンウィークシーズンにかけて、約530万本のネモフィラが咲き誇る、国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」。SNSでも大きな話題で、昨年度は200万人以上が訪れた人気観光スポットです。
開園から35年を迎えるこの場所は、来場者のほとんどが自動車を使用しており、高速道路との関係は切っても切れません。
今回は、ひたち公園管理センターの副センター長である深沢勇司さんと、NEXCO東日本 関東支社水戸管理事務所 所長 山本卓さんに、“地域の元気を動かす”交通や観光における両者の取り組みや協業について話を聞きました。

副管理センター長兼広報・地域共創課 課長
1984年公園財団に入団。国営越後丘陵公園、新宿中央公園の所長、九州、四国、広島など全国8公園に勤務。国営ひたち海浜公園には、1997〜99年の2年間と2024年2月〜現在の2度に渡り勤めている

2000年に日本道路公団に入社。これまで、用地取得業務、企画業務や人事業務などを経て、2024年7月より関東支社水戸管理事務所 所長を務める
9割が自家用車で来園 車でのアクセスに優れた観光エリア
本日は、国営ひたち海浜公園の海側、砂丘エリアにある「グラスハウス」にやってきました。太平洋を一望できる開放的な空間ですね。

春のネモフィラと秋のコキアがSNSやメディアでも取り上げられているひたち海浜公園ですが、改めてどのような施設なのか、見どころと特徴を教えてください。

ひたち海浜公園は、1991年10月に開園した国営公園です。「海と空と緑が友達、爽やか健康体験」をテーマに、総面積350haの園内では、四季折々の植物を鑑賞できます。
豊かな自然の中での散策やサイクリングだけはなく、遊園地や林間アスレチック、バーベキューなどさまざまなアクティビティが楽しめます。

見どころはやはり、ネモフィラが広がる「みはらしの丘」ですね。見頃の時期には約530万本の花が咲きますよ。

みはらしの丘では、夏から秋にかけてコキアも見頃を迎え、こちらも好評です。日中だけでなく夜も楽しんでいただけるよう、ライトアップも実施しています。
どの時期、どの時間帯でも楽しめそうですね! 公園には年間どれくらいの方がいらっしゃるのでしょうか?

昨年度は、200万人を超える大変多くの方にご来園いただきました。2017年度には、1日あたりの最高入園者数が10万人を超えたこともあります。
ちなみに、約90%の方が自家用車で来園しています。県内からの来園者は約36%、県外からは約64%と、高速道路を使ってお越しいただいているお客さまが多いという特徴もあります。

自家用車でご来園するお客さまは、当園だけでなく周辺観光地や飲食店にもお立ち寄りいただくことも多いと思いますので、高速道路が当県にもたらす経済効果は非常に大きなものがあると感じています。

ひたち海浜公園がある茨城県の県央地域は、常磐自動車道が南北に縦断し、北関東自動車道と東水戸道路が東西に横断している、交通アクセスに恵まれた地域です。
県内はもちろん、県外からもアクセスしやすい場所なのも、多くの方に来園いただけるきっかけになっているかもしれませんね。
1年のうち、周辺の高速道路の利用が多い時期はいつ頃なのでしょうか?

高速道路は一般的に、お盆と年末年始の帰省時期に渋滞が多く発生するのですが、ひたち海浜公園周辺の高速道路は、ネモフィラの時期である4月からゴールデンウィークにかけて1年の中で最も多く渋滞が発生します。
来園者数が増えることで、渋滞が発生する可能性が上がると思います。渋滞対策について教えてください。

迂回ルートを案内することが大切な対策です。ひたち海浜公園さんと協力し、複数のICからの迂回ルートを案内しています。

当園では臨時駐車場のスペースを広く確保するとともに、周辺道路には誘導看板を随所に設置しています。また、警備員の教育にも力を入れることで、スムーズな駐車場利用を行えるようにしました。また、最繁忙日は開園時間を繰り上げたり、ホームページ上で平日の分散利用を促すようなPRを行ったりもしています。
高速道路と公園の両者から情報発信を行っているんですね。周辺エリアの特徴についてもお聞かせください。

ひたち海浜公園さんがこのエリアを代表する観光地なのですが、この周辺は車で観光するのにぴったり。旬の魚介類をたっぷり楽しめる「那珂湊おさかな市場」や、「アクアワールド茨城県大洗水族館」、水戸の日本庭園「偕楽園」も、車なら気軽に回れます。
また、「大洗磯前神社」などパワースポットも充実しています。おいしい地元グルメもいっぱいあるので、心もお腹も満たされちゃいますよ。

地元グルメは、スタミナラーメンもおいしいですよね。あとは干し芋を買うなら、丸干しがおすすめ!

間違いないですね〜!
あの〜……すごく盛り上がっていますが、お二人とも茨城出身なのですか?

違います(笑)。
なんと! とっても詳しいので、お二人とも地元の方だと思っていました。

県外から茨城県にやってきましたが、もう大好きな街になりました。

私もです。本当にいい街ですよね。茨城県って魅力度ランキングの最下位を争っているような場所ですが、そんなことは全然なくて、ここに住んでいる人たちは「茨城県はいいところ」だと感じています。海も山もあって、農作物の恵みに囲まれて、こんなに幸せなことはないですよ。
ひたち海浜公園とNEXCO東日本の連携で、茨城の魅力をもっと多くの人々へ
ひたち海浜公園とNEXCO東日本が、共同で実施している取り組みについても教えてください。

2025年3月に、常磐自動車道の友部SA(上り線)に花壇を整備しました。
この背景には、以前地域連携や観光振興を担う部署にいた際に、高速道路を利用した周遊観光が地域を潤す様子を目の当たりにした経験があります。水戸赴任後は、その経験から茨城県を代表する観光地であるひたち海浜公園さんと連携して、誘客促進・地域貢献したいと考えました。
連携を打診したところ、同じ想いを共有でき、始めた取り組みになります。この花壇整備の指導をひたち海浜公園のみなさんにお願いしているんです。春はネモフィラ、秋はコキアを当社のグループ社員たちが植樹しています。
ひたち海浜公園周辺のSAには積極的に公園情報を発信し、連携を強化している

高速道路を利用するお客さまにネモフィラやコキアを見ていただき、ひたち海浜公園の良さを広く知っていただくとともに、ひたち海浜公園をはじめとした地域の観光周遊を促すことにより、地域に貢献したいと考えています。
また、花壇を見てドライバーの方にリフレッシュいただきながら交通安全にもつなげていければと考えています。

茨城県・栃木県・群馬県のおすすめ観光スポットと高速道路のSA・PAを含めた、合計161スポットが対象になった「北関東周遊スタンプラリー」も好評でしたよね。当園もスタンプラリーの対象となっていて、多くの方に楽しんでいただけました。

ありがとうございます! スタンプラリーだけでなく、NEXCO東日本のドライバーズサイト「ドラぷら」では、観光オフシーズンでも魅力的な茨城観光を楽しんでもらえるように、「北関東周遊フリーパス」など対象エリアの高速道路が乗り降り自由になるお得な割引サービスを提供しています。
いつ来ても茨城県を存分に楽しめるような企画を考えているので、ひたち海浜公園に訪れる前に「ドラぷら」を見たり、友部SAに立ち寄っていただけたりするとうれしいです。

一丸となって観光促進に取り組んでいるのですね。これから、ひたち海浜公園をどんな場所にしていきたいですか?

国営公園の使命を考えると、首都圏からのレクリエーション需要に応える場所でないといけないと考えています。地元のみなさんはもちろんのこと、県外からも多くの方に楽しんでいただけるようにしていきたいですね。
また、地域経済への貢献も忘れてはいけないと考えています。ひたち海浜公園だけでなく、地域全体が一緒に潤うように。周辺の施設にも足を運んでいただけるような仕掛けをしていきながら、当園を中心とした周遊観光の促進に努めていきたいです。
当社としてどのようなサポートができるでしょうか?

第一は、高速道路の安全・安心をしっかりと確保していくこと。当たり前に使っていただいていますが、その当たり前を守っていくことが、私たちの使命です。
自家用車で遊びに来る人、団体での観光で大型バスを使う人など、観光目的の利用はもちろん、高速道路は地域の生活や経済を支える重要なインフラですし、万が一災害が起きたときは、災害派遣や救援物資輸送などのための「命の道」として機能します。
誰がいつ、どんな状況で高速道路を使っても“当たり前”に利用できるように、維持・管理に努めています。茨城県内でも今年から、高速道路の安全・安心を守るための橋梁のリニューアル工事が開始されていますので、ご理解とご協力をいただけるように引き続き広報活動をしていきたいです。
最後になりますが、ひたち海浜公園とNEXCO東日本で、これから一緒に取り組んでいきたいことがあればお聞かせください。

友部SAの花壇を、もっと盛り上げていきたいですね。安全・安心な高速道路があってこそ、公園に訪れてくれる人も多くなると思うので、細やかに情報連携していきながら、ともに茨城の魅力を発信していければと考えています。

ひたち海浜公園が盛り上がって、お客さんが増えることが、地域をさらに盛り上げていくと考えています。いつ来ても楽しい公園であることが、より多くの方に知ってもらえるよう、私たちもお力添えしたいですね。
渋滞を緩和するための迂回情報の発信はもちろんのこと、ネモフィラやコキアなど、季節の花が楽しめる素敵な公園ですので、少しでも分散化につながるような取り組みを実施していきたいです。
まとめ
車でのアクセスが多い人気観光エリアでは、周辺高速道路と観光スポットの日々の連携がいかに大切か理解できました。公園を管理する深沢さんも、高速道路を守る山本さんも地域のために働くことが原動力になっているのが素敵でしたね。
ネモフィラやコキアの時期はもちろん、茨城の魅力がたっぷりつまった国営ひたち海浜公園周辺へ、ぜひドライブに出かけてみましょう!

ここは公園の中でも、穴場スポットなんですよ。ぜひ、ゆっくり楽しんでくださいね。