【CA】東京湾アクアラインの「AI渋滞予知」が30分ごとの通過所要時間提供へ

2018年12月21日
東日本高速道路株式会社
株式会社NTTドコモ

 東日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東日本)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、東京湾アクアライン(以下、アクアライン)で実証実験中の「AI渋滞予知」※1をリニューアルし、時間帯別のアクアライン通過に要する時間(以下、所要時間※2)と交通需要※3の提供を2018年12月22日(土)から開始します。

 アクアラインでは、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成されるリアルタイム人口統計※4(以下、人口統計)とNEXCO東日本が保有する過去の渋滞実績および規制情報等をかけ合わせ、ドコモが人工知能(AI)技術を用いて開発した「AI渋滞予知」により帰宅時間帯の渋滞を予測する実証実験を2017年12月から行っています。実験を通じて、お客さまには渋滞の開始時刻やピーク時の渋滞距離などの情報をNEXCO東日本のお客さま向けWEBサイト「ドラぷら」で配信しています。

 今回のリニューアルは、人口統計により把握した当日の人出から数時間先までの高速道路の所要時間および交通需要を予測する世界初※5の技術により実現したもので、30分ごとの通過所要時間などをお伝えすることが可能となります。

 両社は実証実験の検証の後、本格導入と他路線への展開に向けた検討を進めていきます。

 2017年12月より進めていた「AI渋滞予知」実証実験のお客さまアンケートの結果では、全体の約90%のお客さまから、特にアクアラインの利用頻度が高いお客さま※6の場合は約95%の方から、今後もアクアライン利用時に、「AI渋滞予知」を活用したいとの意向を頂きました。また、「AI渋滞予知」への今後の期待として、時間帯ごとの情報提供と、所要時間の提供に関する強いご要望を確認できました。

 これらのご要望などを踏まえ、本技術を開発しました。本技術により渋滞予知の精度は大幅に向上し、渋滞があると予測した時間帯において、所要時間の誤差が30分以上となる時間帯の割合が、従来の渋滞予報カレンダー※7の8.2%に対して0.8%、20分以上となる割合が26%に対して6.7%となり、また、実際の交通量に対する予測交通需要の誤差は9%(10分当たり平均16台)となりました※8

渋滞があると予測した時間帯の
予測所要時間と実績の誤差
渋滞予報
カレンダー
これまでの
AI渋滞予知
新技術による
AI渋滞予知
30分以上 8.2% 3.7% 0.8%
20分以上 26% 15% 6.7%
10分以上 62% 40% 27%
  • 評価対象:2015年1月1日(木)~2018年9月30日(日)(事故や規制の発生日を除く)
  • 渋滞がある時間帯とは1km以上の渋滞(渋滞時速度20kmと仮定)に相当する所要時間増が予測された時間帯
  • これまでのAI渋滞予知については、渋滞開始時刻、ピーク時刻、渋滞解消時刻、最大渋滞長を基に計算

 NEXCO東日本では、中期経営計画において「安全・安心・快適・便利な高速道路サービス」を展開しています。また、ドコモは中期戦略2020「beyond宣言」の中で、パートナーと共に社会課題の解決に取り組んでおります。両社は今後も、「AI渋滞予知」のさらなる活用と他の路線への展開を検討し、交通課題の解決に一層強化して取り組んでまいります。

  1. AI渋滞予知はNTTグループのAI「corevo®」を構成する技術です。
  2. 木更津JCTから川崎浮島JCTまでの通過に要する時間
  3. 交通需要とは、各時間帯において高速道路を潜在的に通過しようとする車両台数で、道路が流せる交通量(交通容量)に制限が無かった場合の交通量に相当します。
  4. 本実験で使用する人口統計は、ドコモの「モバイル空間統計」を高速化したものです。エリアごとや属性ごとの集団の人数を示す情報であり、お客さま個人を特定することはできません。本実験で使用する人口統計は、お客さまのプライバシーを厳重に保護するべく、モバイル空間統計を作成・提供する際の基本事項をまとめた「モバイル空間統計ガイドライン」を順守しております。
    ・モバイル空間統計ガイドライン
    https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/disclosure/mobile_spatial_statistics/guideline/index.html
  5. 2018年12月21日(金)、ドコモ調べ
  6. アクアラインを半年に1回以上、休日にレジャー目的で利用する、千葉県を除いた関東在住のお客さま
  7. 渋滞予報カレンダーとはNEXCO東日本が過去の渋滞実績を基に作成・公開する渋滞予報
  8. 交通容量による制限を受けない非渋滞時の交通量との比較

添付資料

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