高速道路における逆走の発生状況

出典:第4回 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会 配付資料

01 逆走事案の発生状況

  • 全国の高速道路では、概ね2日に1回の頻度で逆走が発生
  • 逆走事案の約6割は、インターチェンジ(IC)、ジャンクション(JCT)で発生
  • 逆走した運転手の年齢は、65歳以上が69%、うち、75歳以上が48%を占める

〈逆走事案発生件数の推移と発生箇所〉

  • 発生箇所は逆走開始地点で分類
逆走事案発生件数の推移と発生箇所のイメージ画像

逆走発生件数

2011年
IC・JCT 96件(46%)、SA・PA 19件(9%)、本線 34件(16%)、不明 62件(29%) 計211件
2012年
IC・JCT 113件(54%)、SA・PA 14件(7%)、本線 33件(16%)、その他 2件(1%)、不明 47件(22%) 計209件
2013年
IC・JCT 84件(59%)、SA・PA 10件(7%)、本線 26件(18%)、不明 23件(16%) 計143件
2014年
IC・JCT 106件(61%)、SA・PA 15件(7%)、本線 56件(26%)、その他 2件(1%)、不明 33件(16%) 計212件
2015年
IC・JCT 158件(61%)、SA・PA 15件(6%)、本線 67件(26%)、その他 1件(0%)、不明 18件(7%) 計259件
2016年
IC・JCT 151件(61%)、SA・PA 13件(5%)、本線 38件(15%)、不明 47件(19%) 計249件
2017年
IC・JCT 125件(60%)、SA・PA 12件(6%)、本線 45件(22%)、その他 1件(0%)、不明 24件(12%) 計207件
2018年
IC・JCT 115件(57%)、SA・PA 12件(6%)、本線 35件(17%)、その他 1件(1%)、不明 37件(19%) 計200件

IC・JCTでの逆走発生件数は約6割。

〈2018年の逆走した運転者の年齢〉

2018.1〜2018.12 計(全200件の内訳)

2018年の逆走した運転者の年齢のイメージ画像

2018年の逆走した運転者の70%が65歳以上。
30歳未満 18件(9%)
30〜65歳未満 45件(22%)
65〜75歳未満 41件(21%)
75歳以上 96件(48%)
計200件


データ:2011年~2018年の高速道路(国土交通省及び高速道路会社管理)における事故または確保に至った逆走事案 N=1,690

出典:警察の協力を得て国土交通省・高速道路会社が作成

02 逆走事故の発生状況

  • 2018年の逆走事故は、2016年からの2箇年で約4割減少。負傷と物損は傾向に大きな変化は見られないが、死亡は1件のみ。
  • 逆走事故は、死亡事故となる割合が高速道路での事故全体に比べ約15倍、死傷事故となる割合が約5倍

〈逆走事故発生件数の推移と事故形態〉

逆走事故発生件数の推移と事故形態のイメージ画像

逆走事故発生件数

2011年 死亡 5件(19%)、負傷 6件(22%)、物損 16件(59%) 計27件
2012年 死亡 4件(9%)、負傷 15件(35%)、物損 24件(56%) 計43件
2013年 死亡 5件(15%)、負傷 11件(32%)、物損 18件(53%) 計34件
2014年 死亡 5件(10%)、負傷 16件(32%)、物損 29件(58%) 計50件
2015年 死亡 8件(17%)、負傷 18件(39%)、物損 20件(44%) 計46件
2016年 死亡 7件(12%)、負傷 18件(32%)、物損 32件(56%) 計57件
2017年 死亡 5件(11%)、負傷 12件(27%)、物損 27件(62%) 計44件
2018年 死亡 1件(31%)、負傷 13件(41%)、物損 18件(56%) 計32件
逆走事故発生件数が2016年は57件でしたが、2017年は44件と約2割減、2018年は32件と約4割減。

〈2018年の[事故全体]の状況〉

2018.1〜2018.12 計(全51,255件の内訳)
※高速道路会社が管理する高速道路の状況(高速道路会社調べ)
2018年の[事故全体]の状況のイメージ画像

2018年の高速道路での事故は、死傷事故が9%、死亡事故が0.2%。
負傷 4,496件(8.8%)
物損 46,634件(91.0%)
死亡 125件(0.2%)
計51,255件

〈2018年の[逆走事故]の状況〉

2018.1〜2018.12 計(全32件の内訳)
2018年の[逆走事故]の状況のイメージ画像

2018年の逆走事故は、死傷事故が44%で、事故全体と比べ、約5倍の割合、死亡事故が3%で、事故全体と比べ、約15倍の割合。
負傷 13件(41%)
物損 18件(56%)
死亡 1件(3%)
計32件

〈2018年の「逆走事故運転者の年齢」〉

2018.1〜2018.12 計(全32件の内訳)
2018年の「逆走事故運転者の年齢」のイメージ画像

2018年の逆走事故の年齢構成は、65歳未満が50%、内30歳未満が25%
30歳未満 8件(25%)
30〜65歳未満 8件(25%)
65〜75歳未満 9件(28%)
75歳以上 7件(22%)
計32件


データ:2011年~2018年の高速道路(国土交通省及び高速道路会社管理)における事故に至った逆走事案N=359

出典:警察の協力を得て国土交通省・高速道路会社が作成

03 動機別の逆走事案発生状況

  • 2018年は前年に比べて、故意、認識なしがそれぞれ約1割減。一方、過失が約1割増。
  • 「故意」の逆走は、65歳未満の運転者によるものが約半数
  • 「認識なし」による逆走は、65歳以上の運転者によるものが9割以上

[定義]
故意:逆走になる事を認識して逆走を開始した事案
過失:逆走になる事を認識せずに逆走を開始した事案
認識なし:事故や確保等により逆走を終えた時点においても、 逆走したとの認識を持っていないもの(認知症等)

本来のルートへ復帰するための
逆走(故意)

本来のルートへ復帰するための逆走(故意)のイメージ画像
(例:目的のICを通り過ぎてしまい、本来出ようとしていたランプに戻ろうとして故意に逆走)

本来のルートへ復帰するための
逆走(過失)

本来のルートへ復帰するための逆走(過失)のイメージ画像
(例:高速道路に誤って進入したことに気付き、一般道に戻ろうと料金所手前で転回し、逆走と思わないまま反対車線の流入ランプを逆走した)

進行するべきルートを誤って
逆走(過失)

進行するべきルートを誤って逆走(過失)のイメージ画像
(例:一般道から進入箇所を間違って出口へ誤進入した)

〈動機別の逆走事案発生件数の推移〉

動機別の逆走事案発生件数の推移のイメージ画像

動機別の逆走事案発生件数

2015年 故意 66件(25%)、過失 98件(38%)、認識なし 69件(27%)、その他・不明 26(10%) 計259件
2016年 故意 46件(18%)、過失 109件(44%)、認識なし 71件(29%)、その他・不明 23(9%) 計249件
2017年 故意 57件(28%)、過失 71件(34%)、認識なし 45件(22%)、その他・不明 34(16%) 計207件
2018年 故意 50件(25%)、過失 77件(38%)、認識なし 41件(21%)、その他・不明 32(16%) 計200件

動機別の逆走事案発生件数は、故意が2017年は57件でしたが、2018年は50件と約1割減。過失が2017年は71件でしたが、2018年は約1割増。認識なしが2017年は45件でしたが、2018年は約1割減。

〈2018年の動機別の逆走事案
運転者の年齢別構成比〉

2018年の動機別の逆走事案 運転者の年齢別構成比のイメージ画像

動機別の逆走事案 運転者の年齢別構成比

全 体 30歳未満 9.0%、30〜65歳未満 22.5%、65〜75歳未満 20.5%、75歳以上 48.0%
故 意 30歳未満 16.0%、30〜65歳未満 32.0%、65〜75歳未満 26.0%、75歳以上 26.0%
過 失 30歳未満 6.5%、30〜65歳未満 23.4%、65〜75歳未満 16.9%、75歳以上 53.2%
認識なし 30〜65歳未満 7.3%、65〜75歳未満 22.0%、75歳以上 70.7%

データ:2015年~2018年の高速道路(国土交通省及び高速道路会社管理)における事故または確保に至った逆走事案N=915

出典:警察の協力を得て国土交通省・高速道路会社が作成

〈2018年の動機別の逆走発生状況[詳細]〉

2018年の動機別の逆走発生状況のイメージ画像

2018年の動機別の逆走発生状況

故意 50件(25%)、過失 77件(38%)、認識なし 41件(21%)、
その他・不明 32(16%) 計200件

故意 50件(25%)

本来のルートへ復帰するための逆走 39件(20%)
流出する出口オフランプを通り過ぎたもの 10件(5%)
IC・JCT等において分岐を間違えたもの 11件(6%)
一般道から高速道路に誤進入したもの 14件(7%)
上記以外のその他 4件(2%)
その他 11件(6%)
ETC無し 1件(1%)
所持金無し 2件(1%)
上記以外のその他 3件(2%)
遺失物を探そうとして 2件(1%)
上記以外のその他(何らかの理由があるもの) 3件(2%)
上記以外のその他(理由不明) 1件(1%)

過失 77件(39%)

本来のルートへ復帰するための逆走 24件(12%)
流出する出口オフランプを通り過ぎたもの 1件(1%)
IC・JCT等において分岐を間違えたもの 3件(2%)
一般道から高速道路に誤進入したもの 15件(8%)
流出するICを間違えたもの 1件(1%)
上記以外のその他 4件(2%)
進行するべきルートを誤って逆走 41件(21%)
標識等の視認性不良(その他) 1件(1%)
カーナビの案内を誤認等 6件(3%)
高速道路の出口に誤進入 21件(11%)
SA・PA入口から誤進出 6件(3%)
上記以外のその他 7件(4%)
その他 12件(6%)
上記以外のその他(何らかの理由があるもの) 9件(5%)
上記以外のその他(理由不明) 3件(2%)

認識なし 41件(21%)

高速、逆走の認識無し(認知症) 27件(14%)
逆走の認識無し(認知症) 1件(1%)
高速・逆走の認識無し(認知症) 26件(13%)
高速、逆走の認識無し(その他) 17件(7%)
逆走の認識無し(その他) 3件(2%)
高速・逆走の認識無し(その他) 11件(6%)

その他・不明 32件(16%)

聴取不能 9件(5%)
認知症 1件(1%)
精神障害 2件(1%)
死亡 1件(1%)
飲酒・酒気帯び 4件(2%)
上記以外のその他 1件(1%)
その他・不明 23件(12%)
その他・不明 23件(12%)

データ:2018年の高速道路(国土交通省及び高速道路会社管理)における事故または確保に至った逆走事案N=200
出典:警察の協力を得て国土交通省・高速道路会社が作成