サグ部などでの速度回復情報提供による渋滞の緩和

平成18年9月8日
東日本高速道路株式会社

サグ部などでの速度回復情報提供による渋滞の緩和

  • 上り坂やサグ部での速度低下による渋滞を緩和するために、特に大きな渋滞が予測される箇所において、視認性に優れたLED※1標識を利用した『速度回復情報提供による渋滞緩和対策』を実施しました。
  • 今回のお盆期間中は、東北道と関越道において対策箇所を11箇所に拡大して行い、対策箇所全体で渋滞が約1割減少しました。
  • 特に、東北道下り羽生PA付近や関越道上り花園IC付近では、対策を行った日は、対策前と比べて日交通量はほぼ同じまたは増加しましたが、この対策により渋滞先頭付近の走行速度が約10km/hr向上し、渋滞が半減しました。

1 『LED標識を利用した速度回復情報提供』の概要

上り坂やサグ部での速度低下に伴う渋滞
 上り坂やサグ部おいては、無意識のうちに速度が低下する車がいることにより、後続車との車間距離が縮り、連鎖的にブレーキを踏むことにより、渋滞が発生する。
 (最初に速度低下した車は、渋滞の原因となったことに気がつかない)

上り坂やサグ部での速度低下に伴う渋滞のイメージ画像

渋滞の先頭付近で「速度低下の注意喚起」を行うことにより、渋滞が緩和される

渋滞発生前
この場所は無意識のうちに速度が低下し、渋滞を引き起こす可能性があることを認識してもらうための情報を提供
(情報提供内容: 「速度低下注意」「○○○m先上り坂」)
渋滞時
まもなく渋滞が終了し、速度回復をお願いするための情報を提供
(情報提供内容: 「○○○m先渋滞終了」「速度回復願います」)
渋滞の先頭付近で「速度低下の注意喚起」を行うことにより、渋滞が緩和されるのイメージ画像

2 お盆期間中の対策箇所(11箇所)  ※サグ部、上り坂で速度低下による渋滞が発生するポイント

東北道上り3箇所加須IC付近、 羽生PA付近、 矢板IC付近
東北道下り3箇所久喜IC付近、 羽生PA付近、 上河内SA付近
関越道上り2箇所花園IC付近、 渋川伊香保IC付近
関越道下り3箇所高坂SA付近、 東松山IC付近、 花園IC付近

(IC:インターチェンジ、 SA:サービスエリア、 PA:パーキングエリア、 BS:バスストップ)

3-1 8月13日(日) 東北道下り羽生PA付近での渋滞緩和効果

対策を行っていない年の同日と比べて日交通量は8%増加しましたが、対策により渋滞先頭付近の走行速度が向上したため、渋滞は約6割減少しました。

 日交通量) 対策無: 67.3千台 ⇒ 対策有: 72.6千台  (+8%)
 渋滞先頭付近の走行速度) 対策無: 40km/hr ⇒ 対策有: 54km・hr
 渋滞量※1) 対策無: 157.9km・hr ⇒ 対策有: 58.5km・hr (▲63%)

東北道(下)岩槻IC~館林ICの渋滞状況のイメージ画像

 対策有) 平成18年8月13日(日)
 対策無) 平成13年8月13日(月) 交通状況が対策日と類似する日を比較対象とした

3-2 8月16日(水)  関越道上り花園IC付近での渋滞緩和効果

対策を行っていない年の同日と比べて日交通量はほぼ同程度でしたが、対策により渋滞先頭付近の走行速度が向上したため、渋滞は約5割減少しました。

 日交通量) 対策無: 67.8千台 ⇒ 対策有: 68.0千台  (+0.3%)
 渋滞先頭付近の走行速度) 対策無: 24km/hr ⇒ 対策有: 32km・hr
 渋滞量※1) 対策無: 145.5km・hr ⇒ 対策有: 78.0km・hr (▲46%)

関越道(上)本庄児玉IC~花園ICの渋滞状況のイメージ画像

 対策有) 平成18年8月16日(水)
 対策無) 平成16年8月16日(月) 交通状況が対策日と類似する日を比較対象とした
 ※1 『渋滞量』は渋滞の大きさを表す指標(渋滞長×渋滞時間)

〔参考〕
 『LED標識を利用した速度回復情報提供』は、これまでの対策結果より渋滞対策として効果があることが認められています。この対策は、他の渋滞対策に比べて安価に行うことができるため、NEXCO東日本では渋滞緩和対策として積極的に取り組んでいます。
東北道矢板IC付近(上り線)では、常設の『LED表示板』により対策を行っています。

● 東北道上り 宇都宮IC~矢板IC 115.2kp付近

東北道上り 宇都宮IC~矢板IC 115.2kp付近の写真

● 東北道上り 宇都宮IC~矢板IC 116.7kp付近

東北道上り 宇都宮IC~矢板IC 116.7kp付近の写真