「NEXCO東日本 総合技術センター」の運用を開始
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NEXCO東日本管内の高速道路の供用延長は約4,000kmまでに達し、本格的なメンテナンス時代に対応した「技術者の育成」や「技術力の向上」、「研究・技術開発の推進」が必要です。一方で、若手技術者の育成に必要な建設現場での知識・経験を習得する機会の減少、ならびに進展する構造物の老朽化や生産性の向上などの課題への対応が求められています。
こうした状況を踏まえ、現場経験を補い構造物の劣化メカニズムや技術の変遷などの理解を深めるための体験・体感型研修の実施や、AIや ICTなどの先端技術を活用した研究・技術開発に取り組むための施設として、東北道 岩槻IC内に「NEXCO東日本 総合技術センター」を整備し、運用を開始しました。
4つの取組み
さまざまな技術課題に対応できる「技術者育成」、災害時や緊急事象発生時の「エキスパート支援」、AIやICTなど先端技術を活用した「研究・技術開発」、安全を最優先とした高速道路事業の推進のための「安全教育・啓発」に取り組みます。
技術者の育成
座学による工学的基礎知識の習得に加え、現場から撤去した橋梁床版・舗装構造・土構造などの実物、トンネル構造の模型や3D・VRなどの画像映像技術による体験・体感型研修により、体系的な技術者の育成を行います。また、ETC機器など料金所設備の実機を用いた研修も実施し、お客さま対応など現場力の向上を図ります。
技術者研修・料金業務研修を含めた年間の受講者数は約1,600人を予定しています。(詳細はP55参照)
エキスパート支援
NEXCO東日本の技術をリードする高度専門家(土工・橋梁・トンネル・雪氷)を擁しています。現地での技術的な課題発生時や災害・緊急事象発生時に迅速かつ積極的にアドバイス、サポートを行います。2019年秋の台風接近による土砂災害発生時は上信越道などの被災現場に専門家を派遣し、技術的助言など早期復旧のためのサポートを行いました。
研究・技術開発
先端技術を活用した点検技術の高度化や安全性、生産性向上に資する研究・技術開発を推進します。まずは、当社の重要課題である雪氷対策の高度化に取り組みます。冬の低温状態や腐食環境を再現する低温恒湿試験機や腐食促進試験機を導入し、凍結防止剤や凍害・雪害に関する試験や研究を行います。(詳細はP53〜54参照)
安全教育・啓発
各研修カリキュラムに安全教育を組み入れ、安全意識の醸成と安全管理技術の向上を図ります。座学に加え記録映像などを用いて、安全確保の重要性を教育し、実習用足場では実際に墜落防止用器具を装着し足場作業を体験することで、安全規定の理解を深めます。